2013年1月27日日曜日

人を動かす

A great man shows his greatness by the way he treats little men.

カーライル Thomas Carlyle (1795-1881)  のこの言葉は、デール・カーネギー Dale Carnegie (1888-1955) のベストセラー、「人を動かす」 How to Win Friends and Influence People (1936) で知りました。

「偉人は、小人の扱い方によって、その偉大さを示す」(「人を動かす」、D.カーネギー、山口博訳、昭和33年、創元社)


そうなのです。

あんな小娘があなたのいうことを聞かないのは、あなたにも問題があるのですね。


カーネギーの言葉をもう少し引用しておきます。

Any fool can criticize, condemn and complain - and most fools do.

「人を批評したり、非難したり、小言を言ったりすることは、どんな馬鹿者でもできる。そして、馬鹿者にかぎって、それをしたがるものだ。(同上)」

馬鹿者といわれないように。ね。


2013年1月20日日曜日

Simplify Your Life

どんなことでも長く続くと煮詰まってきます。

やらなければいけないこと、やろうと思ってためておいたこと、やりたくないけれど残ってしまったこと、いろいろなものがたまってきます。

そうすると、心の余裕がなくなってきます。行き詰ってきます。

若いときは、あれもやりたい、これもやりたいと、いろいろなことにチャレンジすることは大事なことです。その中から、自分が本当にやりたいこと、自分が一番得意なことがみつかってきます。

でも、十分に年月を重ねた後では、自分がやりたいこと、自分が得意なことに専念するのがよいのではないでしょうか。

一番得意なことに、余裕をもって、あなたの経験を生かせばよいのです。

それ以外のことは、ストレスをふやして、余裕を失うだけかもしれません。
今となっては、あなたの人生にとっては重要ではない可能性が大です。

シンプルに生きましょう。

アインシュタインAlbert Einstein (1879-1955) の言葉ですが、

I believe that a simple and unassuming manner of  life is best for everyone, best for both the body and the mind. 

「シンプルで控えめな生き方が、だれにとっても、体にも、心にも、最高の方法だと信じています。」


2013年1月13日日曜日

貝原益軒 養生訓

「老後は、わかき時より月日の早き事、十ばいなれば、一日を十日とし、十日を百日とし、一月を一年とし、喜楽して、あだに、日をくらすべからず。つねに時日をおしむべし。。。。」
(貝原益軒、養生訓、伊藤友信訳、講談社学術文庫、1982年)

時間がない、あっという間に一週間がすぎていく。実感ですね。
でも、時間はすべての人に、老いも若きも、金持ちも貧しい人も、みな等しく与えられています。

仕事に追われて、心の余裕がない人もいます。

どんなに仕事が多くても、飄々としている人もいます。

でも、何かを残す人がいるのですね。
いつこんな仕事をする時間があったのだろうという人がいるのですね。

忙しさを言い訳にはできません。
今日も何もできなかったというのは、避けたいですね。

あなたも、もう若くないのですから、一日を大切にお使いなさい。
自分をオーガナイズする大切さを、いままで以上に考えたほうがよさそうですね。


2013年1月6日日曜日

臨床と研究

医学の話です。

臨床と研究は、基本的にスタンスが異なります。

基礎医学の研究はオリジナリティーとプライオリティーが最も重要と言われます。

過去、および、現在のどの研究とも違いがなければなりません。
これまでのどの研究にもなかった新しい発見がなければなりません。

すでにわかっていることを研究することは意味がありません。
オリジナリティーは自分で見つけるものであって、待っていればやってくるものではありません。
また、新しい発見は、前もって予見できないから発見なのです。

「発見とは、万人の目に触れるものを見て、誰も考えなかったことを考えること」であり、
Discovery consists of seeing what everybody has seen and thinking what no body has thought.

「発見とは、準備された精神との偶然の出会い」です。
A discovery is said to be an accident meeting a prepared mind.

いずれも、ビタミンCの発見でノーベル賞を受賞したアルベルト・セント-ジェルジ Albert von Szent-Györgyi Nagyrápolt (1893-1986) の言葉です。


医学の臨床はこれとは異なり、医師が行う治療は誰もが認めるものでなければなりません。

その最たるものが治療ガイドラインです。推奨される治療法がエビデンスに基づいて検証されています。とのどの医師も考えつかない治療法は人体実験と呼ばれて認められません。

しかも、患者さんは向こうからやってくるのであり、いつやってくるかもわからないのです。

また、患者さんという相手があることですから、医師にとって最高の治療を行うことが、患者さんにとっても最高の満足が得られることと同じではありません。

「時に癒し、しばしば和らげ、常に慰む」
Guerir quelquefois. Soulager souvent. Consoler toujours.

これはフランス語ですが、英訳は、
To cure sometimes. To relieve often. To comfort always.

結核サナトリウムを創設したエドワード・トルードー Edward Livingstone Trudeau (1848-1873) の言葉です。

病気を治せなくても、患者さんの心のケアはいつも必要だといっています。


臨床と研究、どちらを目指しても、難しい道でしょう。

ただ、自分がどちらにより向いているのかは、考えておいたほうが良いでしょうね。