口語訳聖書では、
「だから、あすのことを思いわずらうな。あすのことは、あす自身が思いわずらうであろう。一日の苦労は、その日一日だけで十分である。」
とあります。
今日の事は、今日、完結させようという意味ですね。
文語訳聖書では、マタイ伝福音書 第6章34節、
「この故に明日のことを思い煩うな、明日は明日みづから思い煩はん。一日の苦労は一日にて足れり。」
となります。文語調の方が、名言としてのありがたみが少し増しませんか。
一応、英語の表現にもあたってみましょう。
ジェームズ王欽定訳(KJV)では、
Take therefore no thought for the morrow: for the morrow shall take thought for the things of itself. Sufficient unto the day is the evil thereof.
基礎英語聖書(BBE)では、
Then have no care for tomorrow: tomorrow will take care of itself. Take the trouble of the day as it comes.
世界英語聖書(WEB)では、
Therefore don't be anxious for tomorrow, for tomorrow will be anxious for itself. Each day's own evil is sufficient.
となっていますが、それぞれ表現が異なり、どことなく印象も違いますね。
KJV版とWEB版では、明日も良いことが来ないような気がします。
BBE版は簡易でニュートラルな表現ですので、私はこの方が好きです。
マーガレット・ミッチェル Margaret Mitchell (1900-1949) の歴史的ベストセラー小説、「風と共に去りぬ Gone with the wind (1936)」、のヒロイン、スカーレット・オハラ Katie Scarlet O'Hara の最後のセリフも、
Tomorrow is another day.
です。
これが邦訳されると、「明日は明日の風が吹く」、となります。名訳ですね。
1939年のハリウッド映画、「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラ役のビビアン・リー Vivien Leigh (1913-1967) のイメージでこの言葉を思い浮かべると、明日への強い意志と希望が感じられるのは私だけでしょうか。
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